畑薙第一ダム周辺(静岡県)

畑薙第一ダム周辺(静岡県)
住所 〒428-0505 静岡県静岡市葵区田代1131−2
例年の見頃 10月中旬〜11月上旬

畑薙第一ダム周辺(静岡県)完全ガイド|日本一の中空重力式ダムと紅葉・アクセス情報

静岡県静岡市葵区の山奥深く、南アルプスの麓に位置する畑薙第一ダムは、中空重力式コンクリートダムとしては日本一の高さを誇る発電用ダムです。堤高125メートルのこのダムは、かつて世界一の高さを誇り、現在でも世界最大級の中空重力式ダムとして知られています。

本記事では、畑薙第一ダムの魅力から紅葉情報、アクセス方法、ダムカード入手方法まで、訪問前に知っておきたい情報を徹底的に解説します。

畑薙第一ダムとは|基本情報と特徴

ダムの基本スペック

畑薙第一ダムは、大井川の上流部に建設された中部電力の発電用ダムです。昭和37年(1962年)に完成したこのダムは、以下のような特徴を持っています。

  • 型式:中空重力式コンクリートダム
  • 堤高:125メートル(中空重力式としては日本一)
  • 堤頂長:350.5メートル
  • 総貯水容量:約1億6,000万立方メートル
  • ダム湖名:畑薙湖(はたなぎこ)
  • 所在地:静岡県静岡市葵区田代
  • 管理者:中部電力株式会社
  • 完成年:昭和37年(1962年)

中空重力式ダムとは

畑薙第一ダムの最大の特徴は、「中空重力式コンクリートダム」という珍しい構造にあります。通常の重力式ダムは内部まで完全にコンクリートで満たされていますが、中空重力式は堤体内部に空洞を設けることで、コンクリートの使用量を削減しつつ強度を保つ設計となっています。

この構造により、堤体には内部への採光用の窓が設置されており、外観からも独特の雰囲気を醸し出しています。建設当時の技術の粋を集めた構造は、ダムマニアの間でも高く評価されています。

揚水式発電の仕組み

畑薙第一ダムは、下流にある畑薙第二ダムとの間で揚水式発電を行っています。畑薙湖を上池、畑薙第二ダムのダム湖を下池として、夜間などの電力需要が少ない時間帯に余剰電力を使って水を汲み上げ、電力需要が高まる時間帯に発電を行う効率的なシステムです。

この発電方式により、電力の安定供給に大きく貢献しており、中部電力の重要な電源施設となっています。

畑薙第一ダム周辺の紅葉|見頃と楽しみ方

紅葉の見頃時期

畑薙第一ダム周辺は、静岡県内でも有数の紅葉名所として知られています。標高約1,100メートルに位置するこのエリアは、南アルプスの山々に囲まれ、秋になると周囲一帯が鮮やかに色づきます。

  • 見頃時期:10月下旬~11月上旬
  • 色づき始め:10月中旬頃
  • 主な樹種:ブナ、カエデ、ナナカマド、ダケカンバなど

標高が高いため、静岡市街地よりも早く紅葉シーズンを迎えます。ただし、気候条件により前後する可能性があるため、訪問前に最新の色づき状況を確認することをおすすめします。

紅葉の見どころポイント

ダム堤体からの眺望

ダムの堤頂部からは、畑薙湖を囲む南アルプスの山々を一望できます。赤石岳や荒川岳といった3,000メートル級の山々が背景にそびえ、湖面に映り込む紅葉は圧巻の美しさです。

畑薙湖周辺の散策

ダム湖である畑薙湖の周辺には散策路があり、湖畔から紅葉を楽しむことができます。静かな湖面に映る色とりどりの木々は、まさに絶景です。

南アルプスとの組み合わせ

海抜2,000メートル級の山々が迫る景観は、他の紅葉スポットでは味わえない雄大さがあります。山頂付近の冠雪と紅葉のコントラストが見られることもあり、写真撮影にも最適です。

紅葉撮影のコツ

畑薙第一ダム周辺で美しい紅葉写真を撮るためのポイントをご紹介します。

  1. 早朝の光を狙う:朝の柔らかい光が紅葉を美しく照らします
  2. 湖面への映り込みを活用:風のない日の湖面は鏡のように紅葉を映します
  3. ダム堤体を構図に入れる:巨大なダムと紅葉の対比が印象的な写真になります
  4. 広角レンズと望遠レンズを使い分ける:広大な景色と部分的な美しさの両方を捉えましょう

畑薙第一ダムへのアクセス方法

車でのアクセス

畑薙第一ダムへは、基本的に自家用車でのアクセスとなります。ただし、道中は山岳路が続くため、運転には十分な注意が必要です。

静岡市街地から

  1. 静岡市街地から国道362号線を北上
  2. 井川湖を経由し、県道60号線(南アルプス公園線)へ
  3. 畑薙第二ダムを経由して畑薙第一ダムへ
  4. 所要時間:約3時間~3時間30分(約90km)

注意事項

  • 畑薙第一ダムより先は一般車両通行禁止です
  • 冬季(11月下旬~4月下旬頃)は道路が閉鎖されます
  • 道路は狭く、カーブが多いため慎重な運転が必要です
  • ガソリンスタンドは井川地区が最後となるため、給油を忘れずに

公共交通機関でのアクセス

路線バス

静岡駅から畑薙第一ダム方面へのバスが運行されていますが、本数が非常に限られています。

  • 運行会社:しずてつジャストライン
  • 出発地:JR静岡駅
  • 所要時間:約3時間30分
  • 運行期間:主に登山シーズン(詳細は要確認)

バスの運行スケジュールは季節により変動するため、事前に運行会社へ確認することを強くおすすめします。

駐車場情報

畑薙第一ダム周辺には駐車スペースがありますが、紅葉シーズンや登山シーズンには混雑することがあります。特に週末や祝日は早めの到着を心がけましょう。

南アルプス登山口としての畑薙第一ダム

主要登山ルート

畑薙第一ダムは、南アルプス南部への重要な登山口として知られています。ここから以下のような名峰へのルートが始まります。

赤石岳(3,120m)

南アルプス南部の盟主とも呼ばれる日本百名山。畑薙第一ダムからは椹島(さわらじま)を経由するルートが一般的です。

荒川岳(3,141m)

荒川三山(前岳、中岳、東岳)の総称で、南アルプスでも屈指の美しい稜線を持つ山域です。

聖岳(3,013m)

南アルプス南部の日本百名山の一つ。深い原生林と高山植物が魅力です。

登山者向けサービス

畑薙第一ダムから先の登山口(椹島、二軒小屋など)へは、東海フォレストが運行する送迎バスを利用します。一般車両は通行できないため、登山者は必ずこのバスを利用することになります。

  • 運行期間:6月上旬~11月上旬頃(年により変動)
  • 予約:事前予約制(東海フォレストへ要問い合わせ)
  • 料金:区間により異なる

ダムカードの入手方法

配布場所と配布時間

畑薙第一ダムのダムカードは、以下の場所で配布されています。

配布場所

  • 施設名:畑薙第一ダム管理所(または指定の配布施設)
  • 住所:静岡県静岡市葵区田代1110-5付近
  • 配布時間:平日の日中(詳細は要確認)

ダムカード入手の注意点

配布場所は畑薙第一ダムから車で約8分離れた場所にあることが多いため、以下の点に注意が必要です。

  1. 訪問証明が必要:畑薙第一ダムを実際に訪問した証明として、デジタルカメラや携帯電話で撮影したダムの写真を提示するか、当日のダム周辺の景色について説明できるようにしておきましょう。
  1. 配布時間の確認:配布は平日のみ、または時間が限定されている場合があるため、事前に確認することをおすすめします。
  1. 冬季は配布休止:道路閉鎖期間中はダムカードの配布も休止となります。

周辺の見どころとセットで楽しむ

井川湖(井川ダム)

畑薙第一ダムへ向かう途中にある井川湖は、大井川最大のダム湖です。湖上を走る井川湖渡船や、湖畔のレインボーブリッジなど、こちらも見どころが豊富です。

畑薙第二ダム

畑薙第一ダムのすぐ下流にある姉妹ダム。こちらも中空重力式ダムで、揚水式発電の下池として機能しています。セットで見学するとより理解が深まります。

寸又峡温泉

大井川の支流、寸又川沿いにある秘境の温泉地。エメラルドグリーンの湖面が美しい夢の吊橋が有名です。畑薙第一ダムと組み合わせて1泊2日の旅程を組むのもおすすめです。

訪問時の注意事項とマナー

安全面での注意

  1. 道路状況の確認:山岳路のため、天候不良時は通行が危険になることがあります
  2. 冬季閉鎖:11月下旬から4月下旬頃まで道路が閉鎖されます
  3. 携帯電話の電波:エリアによっては電波が届かない場所があります
  4. 熊の出没:南アルプス山麓のため、熊の生息地です。熊鈴などの対策を
  5. 気温差:標高が高いため、平地より気温が低くなります。防寒着を用意しましょう

マナーと環境保護

  1. ゴミは必ず持ち帰る:自然豊かなエリアを守るため、ゴミの持ち帰りは徹底しましょう
  2. 立入禁止区域を守る:ダム施設内には立入禁止区域があります
  3. 植物の採取禁止:南アルプス国立公園内では植物の採取が禁止されています
  4. 騒音に配慮:静かな環境を保つため、大声や音楽などは控えめに

畑薙第一ダム周辺の四季

春(5月~6月)

雪解けとともに新緑が芽吹き、周囲の山々が鮮やかな緑に染まります。残雪の南アルプスと新緑のコントラストが美しい季節です。

夏(7月~8月)

登山シーズンの最盛期。標高が高いため、真夏でも涼しく過ごせます。深緑の森と青い空、澄んだ湖面が魅力です。

秋(9月~11月)

10月下旬から11月上旬の紅葉シーズンが最も人気の時期。山全体が赤や黄色に染まり、一年で最も華やかな景色を楽しめます。

冬(12月~4月)

道路閉鎖のため一般車両はアクセスできませんが、雪に覆われた静寂の景色は格別です。アクセス可能期間は限られますが、冬季の訪問も魅力的です。

撮影スポットとベストタイミング

おすすめ撮影スポット

  1. ダム堤頂部:ダムの上から畑薙湖と南アルプスを一望できる定番スポット
  2. ダム下流側:堤高125メートルの迫力ある堤体を撮影できます
  3. 湖畔の散策路:湖面に映る紅葉や山々を撮影できます
  4. 採光窓付近:中空重力式ダム特有の窓を含めた構図が人気

撮影のベストタイミング

  • :朝日に照らされた山々と静かな湖面
  • :青空と紅葉のコントラスト
  • 夕方:夕日に染まる南アルプスの山々

宿泊・食事情報

周辺の宿泊施設

畑薙第一ダム周辺には宿泊施設がないため、井川地区や静岡市街地での宿泊となります。

井川地区

  • 民宿や旅館が数軒あり、素朴な山の幸を楽しめます
  • ダムまで車で約1時間

静岡市街地

  • ホテルや旅館が充実
  • ダムまで車で約3時間

食事・補給

畑薙第一ダム周辺には飲食店や売店がありません。食事や飲み物は事前に準備していくことをおすすめします。井川地区が最後の補給ポイントとなります。

まとめ|畑薙第一ダムの魅力

畑薙第一ダムは、日本一の高さを誇る中空重力式ダムとしての技術的価値、南アルプス登山口としての役割、そして紅葉の名所としての自然美を兼ね備えた、静岡県が誇る貴重なスポットです。

山奥深くにあるためアクセスには時間がかかりますが、その分、訪れた人だけが味わえる雄大な自然と静寂があります。特に紅葉シーズンの美しさは格別で、一度は訪れる価値のある場所といえるでしょう。

ダムマニア、登山愛好家、紅葉ハンター、自然写真家など、さまざまな人々を魅了し続ける畑薙第一ダム。次の休日には、南アルプスの麓に広がる絶景を求めて、足を運んでみてはいかがでしょうか。

よくある質問(FAQ)

Q1: 畑薙第一ダムへは年中行けますか?

いいえ、畑薙第一ダムへ続く道路は冬季(例年11月下旬~4月下旬頃)は閉鎖されます。アクセス可能な期間は5月上旬から11月中旬頃までとなります。ただし、気候条件により閉鎖時期は前後するため、訪問前に道路管理者や地元自治体に最新情報を確認することをおすすめします。

Q2: ダムカードはダムの場所でもらえますか?

畑薙第一ダムのダムカードは、ダムから車で約8分離れた配布場所で入手できます。配布場所では、実際にダムを訪問したことを証明するため、デジタルカメラや携帯電話で撮影したダムの写真を提示するか、当日のダム周辺の景色について説明する必要があります。配布時間は平日の日中が基本ですので、事前に確認しましょう。

Q3: 紅葉の見頃はいつですか?

畑薙第一ダム周辺の紅葉の見頃は、例年10月下旬から11月上旬です。標高約1,100メートルに位置するため、静岡市街地よりも早く紅葉シーズンを迎えます。色づき始めは10月中旬頃からで、ブナ、カエデ、ナナカマド、ダケカンバなどが美しく色づきます。ただし、その年の気候により前後することがあるため、訪問前に最新の色づき状況を確認することをおすすめします。

Q4: 畑薙第一ダムより先へ車で行けますか?

畑薙第一ダムより先は一般車両通行禁止となっています。南アルプスの登山口である椹島や二軒小屋方面へ行く場合は、東海フォレストが運行する送迎バス(予約制)を利用する必要があります。このバスは登山シーズン(6月上旬~11月上旬頃)に運行されており、事前予約が必要です。

Q5: 初心者でも運転して行けますか?

畑薙第一ダムへの道のりは山岳路が続き、狭い道やカーブが多いため、運転に自信のない方には難しい場合があります。所要時間は静岡市街地から約3時間~3時間30分で、途中にはガソリンスタンドもほとんどありません(井川地区が最後)。運転に不安がある場合は、公共交通機関(路線バス)の利用も検討しましょう。ただし、バスの本数は非常に限られているため、事前のスケジュール確認が必須です。

Q6: 周辺に食事できる場所はありますか?

畑薙第一ダム周辺には飲食店や売店はありません。食事や飲み物は事前に準備していく必要があります。最寄りの補給ポイントは井川地区となりますので、そこで必要なものを購入しておくことをおすすめします。また、ゴミは必ず持ち帰るようにしましょう。

Q7: 携帯電話は使えますか?

畑薙第一ダム周辺は山奥深い場所にあるため、携帯電話の電波が届かないエリアがあります。緊急時の連絡手段が限られる可能性があるため、事前に行動計画を立て、家族や友人に行き先と帰宅予定時刻を伝えておくことをおすすめします。

Q8: 熊に遭遇する危険はありますか?

畑薙第一ダム周辺は南アルプス山麓に位置し、ツキノワグマの生息地です。特に早朝や夕方、登山道や林道を歩く際には注意が必要です。熊鈴を携帯する、複数人で行動する、食べ物の管理に気をつけるなどの対策を取りましょう。もし熊を目撃した場合は、静かにその場を離れ、大声を出したり走って逃げたりしないようにしてください。

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