姫路城西御屋敷跡庭園 好古園

姫路城西御屋敷跡庭園 好古園
住所 〒670-0012 兵庫県姫路市本町68
公式 URL http://www.himeji-machishin.jp/ryokka/kokoen/
例年の見頃 11月中旬〜下旬

姫路城西御屋敷跡庭園 好古園完全ガイド:世界遺産を借景にした日本庭園の魅力と見どころ

好古園とは:世界遺産姫路城を借景にした平成の名園

好古園(こうこえん)は、兵庫県姫路市にある本格的な日本庭園で、正式名称を「姫路城西御屋敷跡庭園 好古園」といいます。世界文化遺産・国宝である姫路城を借景とした贅沢な景観が特徴で、平成4年(1992年)に姫路市制100周年記念事業として開園しました。

約3.5ヘクタール(約1万坪)の広大な敷地には、発掘調査で確認された江戸時代の西御屋敷跡や武家屋敷跡、通路跡などの遺構を活かした池泉回遊式庭園が広がります。9つの趣の異なる庭園群で構成され、それぞれが築地塀や屋敷門で仕切られている点が最大の特徴です。

江戸の情緒を醸し出すその佇まいから、時代劇や大河ドラマのロケ地としても頻繁に使用され、映画「るろうに剣心」シリーズをはじめ、数多くの作品の舞台となっています。

好古園の歴史的背景:西御屋敷跡の発掘から庭園造営まで

江戸時代の西御屋敷

好古園が位置する場所は、元和4年(1618年)に造営された姫路城の西御屋敷があった場所です。西御屋敷は姫路藩主の家老や重臣たちの屋敷が立ち並ぶ武家地で、姫路城の防衛上も重要な位置を占めていました。

古地図「姫路侍屋敷図」には、この一帯に多くの武家屋敷が配置されていた様子が描かれており、江戸時代を通じて姫路城下町の中心的な武家地として機能していました。

発掘調査と遺構の発見

昭和後期から平成初期にかけて行われた発掘調査により、西御屋敷跡や武家屋敷跡の建物基礎、石垣、通路跡などが次々と発見されました。これらの遺構は特別史跡地として保護されることとなり、その歴史的価値を活かした庭園造営の構想が生まれました。

平成の庭園造営

姫路市制100周年を記念して、これらの貴重な遺構を保存しながら、現代に江戸時代の武家屋敷の雰囲気を再現する日本庭園として好古園が造営されました。発掘された屋敷割をそのまま活かし、江戸時代の地割に忠実な設計がなされている点が、他の日本庭園にはない好古園の独自性となっています。

9つの庭園群:それぞれ異なる趣を楽しむ

好古園最大の特徴は、築地塀や門で仕切られた9つの独立した庭園群で構成されていることです。それぞれの庭園が異なるテーマと趣を持ち、門をくぐるたびに新しい景色が広がります。

1. 御屋敷の庭

好古園の中心となる最も広い庭園で、面積は約4,500平方メートルに及びます。池泉回遊式の代表的な庭園で、大きな池と滝、築山を配した豪華な造りが特徴です。

池の周囲を回遊しながら、姫路城天守を借景とした絶景を楽しむことができます。特に池に映る逆さ姫路城は撮影スポットとして人気です。滝の水音が響き渡る空間は、まさに江戸時代の大名屋敷の庭園を彷彿とさせます。

2. 苗の庭

季節の草花や樹木の苗を育てる実用的な庭園です。江戸時代の武家屋敷では、庭園の維持管理のために苗場が設けられていたことを再現しています。

3. 茶の庭

本格的な数寄屋建築の茶室「双樹庵」を中心とした茶庭です。茶道の精神を体現した静寂な空間で、露地(茶庭の小道)、蹲踞(つくばい)、飛び石などが配置されています。

双樹庵では定期的に茶会が開催され、抹茶と和菓子を楽しむこともできます(有料、要予約の場合あり)。茶室からの庭園の眺めは格別で、四季折々の風情を感じながら一服の茶を味わう贅沢な時間を過ごせます。

4. 流れの平庭

水の流れを主題とした平坦な庭園で、小川が緩やかに流れる様子を観賞できます。水音と緑のコントラストが心地よく、散策路沿いに配置されているため、歩きながら楽しむことができます。

5. 夏木の庭

夏の緑陰を楽しむための庭園で、楓や樫などの落葉樹と常緑樹が配置されています。新緑の季節には鮮やかな緑が目に眩しく、夏には涼しげな木陰を提供してくれます。

6. 松の庭

黒松を中心とした格調高い庭園です。松は日本庭園において縁起の良い樹木とされ、武家の庭園にふさわしい威厳と風格を表現しています。

7. 花の庭

四季折々の草花を楽しむための庭園で、春には桜、夏には紫陽花、秋には萩など、季節ごとに異なる花々が咲き誇ります。カラフルな花々が庭園に彩りを添えます。

8. 築山池泉の庭

築山(人工的に造られた山)と池を配した伝統的な日本庭園様式の庭園です。高低差を活かした立体的な景観が特徴で、池の周りを巡りながら様々な角度から庭園美を楽しめます。

9. 竹の庭

竹林を主体とした庭園で、涼やかな竹の音と緑の光が幻想的な空間を作り出しています。竹林の小道を歩くと、まるで別世界に迷い込んだような感覚を味わえます。

四季折々の見どころ:好古園で楽しむ季節の風景

春(3月〜5月)

春の好古園は、桜と新緑が美しい季節です。園内には約30本の桜が植えられており、3月下旬から4月上旬にかけて見頃を迎えます。特に「御屋敷の庭」の池の周りに咲く桜は、水面に映る姿も含めて絶景です。

4月中旬以降は新緑が芽吹き、庭園全体が鮮やかな緑に包まれます。藤の花も咲き始め、紫色の花房が風に揺れる様子は優雅そのものです。

夏(6月〜8月)

梅雨の時期には紫陽花が見頃を迎え、「花の庭」を中心に様々な品種の紫陽花が咲き誇ります。雨に濡れた紫陽花と緑の庭園のコントラストは、日本の梅雨ならではの風情を感じさせます。

夏本番になると、深い緑に包まれた庭園は涼を求める訪問者で賑わいます。「夏木の庭」の木陰や、水の流れる音が涼しさを演出してくれます。

秋(9月〜11月)

好古園が最も美しい季節と言われるのが秋の紅葉シーズンです。11月中旬から12月上旬にかけて、園内の約250本のモミジが一斉に色づき、庭園全体が赤や黄色に染まります。

特に「御屋敷の庭」の池の周りの紅葉は圧巻で、水面に映る紅葉と姫路城の組み合わせは、好古園を代表する絶景です。「築山池泉の庭」でも、姫山樹林を借景に大滝と紅葉のコラボレーションを楽しめます。

紅葉シーズンには夜間特別開園(ライトアップ)も実施され、幻想的に照らし出された紅葉と庭園の美しさは昼間とは全く異なる魅力があります。

冬(12月〜2月)

冬の好古園は静寂に包まれ、凛とした空気の中で庭園美を楽しめます。雪が降った日には、雪化粧をした庭園と姫路城の組み合わせが絶景となります。

松の緑や竹林の青々とした色が、冬の庭園に彩りを添えます。寒い季節だからこそ、茶室・双樹庵での温かい抹茶が格別の味わいとなります。

レストラン活水軒:庭園を眺めながら味わう本格和食

好古園内には、レストラン活水軒があり、庭園を眺めながら本格的な和食を楽しむことができます。

活水軒の特徴

大きな窓から「御屋敷の庭」の池泉庭園を一望できる絶好のロケーションで、四季折々の庭園美を眺めながら食事ができます。特に紅葉シーズンには、色づいた紅葉を眺めながらの食事が人気です。

メニュー

活水軒では、播磨地方の食材を使った季節の和食御膳や、姫路名物の穴子料理、そばやうどんなどの麺類も提供しています。ランチタイムには手頃な価格の定食から、特別な日のための会席料理まで、幅広いメニューが揃っています。

予約制で宴会や法事などの利用も可能で、庭園の美しさと和食の味わいを同時に楽しめる贅沢な空間として、地元の方にも観光客にも愛されています。

茶室・双樹庵:本格的な茶の湯体験

「茶の庭」に佇む茶室・双樹庵は、本格的な数寄屋建築の茶室で、茶道の世界を体験できる施設です。

呈茶サービス

一般の訪問者でも気軽に抹茶と和菓子を楽しめる呈茶サービスが提供されています(有料)。茶室の静寂な空間で、茶庭を眺めながら一服の抹茶を味わう時間は、日常を忘れさせてくれる特別な体験です。

茶会・茶道体験

定期的に茶会が開催されるほか、茶道体験プログラムも実施されています。茶道の作法を学びながら、本格的な茶室での茶の湯を体験できる貴重な機会です。

ロケ地としての好古園:映画・ドラマの舞台

江戸の情緒を色濃く残す好古園は、時代劇や大河ドラマのロケ地として数多くの作品に登場しています。

主なロケ作品

映画「るろうに剣心」シリーズでは、好古園の築地塀前で主人公・緋村剣心(佐藤健)の頬に刀傷がつく重要なシーンが撮影されました。その他、第二作、第三作でも好古園が舞台として使用されています。

NHK大河ドラマでは、「軍師官兵衛」「おんな城主 直虎」「麒麟がくる」など、多くの作品で江戸時代の武家屋敷や庭園のシーンに使用されています。

その他、時代劇映画やドラマ、CMなど、年間を通じて様々な撮影が行われており、訪れるたびに「あのシーンの場所だ」と発見する楽しみもあります。

基本情報・アクセス・料金

基本情報

  • 正式名称:姫路城西御屋敷跡庭園 好古園
  • 所在地:兵庫県姫路市本町68番地
  • 電話番号:079-289-4120
  • 開園時間:9:00〜17:00(入園は16:30まで)
  • 4月27日〜8月31日:9:00〜18:00(入園は17:30まで)
  • 休園日:12月29日・30日
  • 面積:約3.5ヘクタール(約1万坪)

入園料金

  • 大人(18歳以上):310円
  • 小人(小学生・中学生・高校生):150円

姫路城との共通券

  • 大人:1,050円
  • 小人:360円

※団体割引あり(30名以上)
※障がい者手帳をお持ちの方は本人と介護者1名が無料

アクセス

電車でのアクセス

  • JR「姫路駅」または山陽電鉄「山陽姫路駅」から徒歩約15分
  • 姫路城の南西側に位置し、姫路城と合わせて徒歩で観光できます

バスでのアクセス

  • 姫路駅北口から神姫バス乗車、「姫路城・大手門前」下車、徒歩約5分

車でのアクセス

  • 山陽自動車道「姫路東IC」から約20分
  • 播但連絡道路「花田IC」から約15分

駐車場

  • 好古園専用駐車場はありません
  • 姫路城周辺の有料駐車場(大手門駐車場、姫山駐車場など)を利用

バリアフリー情報

  • 車椅子での入園可能(一部段差あり)
  • 車椅子の無料貸し出しあり(数に限りあり、要事前確認)
  • 多目的トイレ完備
  • 介助犬の同伴可能

好古園観光のモデルコース

姫路城と合わせた半日コース

9:00 姫路城見学開始(所要時間:約1.5〜2時間)
11:00 好古園入園、9つの庭園群を回遊(所要時間:約1時間)
12:00 レストラン活水軒でランチ(所要時間:約1時間)
13:00 茶室・双樹庵で抹茶を楽しむ(所要時間:約30分)
13:30 好古園周辺散策、お土産購入

じっくり好古園を楽しむコース

9:00 開園と同時に入園、人が少ない時間帯に撮影
10:00 各庭園をゆっくり回遊、ベンチで休憩しながら庭園美を堪能
11:30 レストラン活水軒でランチ
13:00 茶室・双樹庵で茶道体験または呈茶
14:00 再度お気に入りの庭園を訪れて写真撮影
15:00 好古園ショップでお土産購入

撮影スポット・インスタ映えポイント

御屋敷の庭の池と姫路城

池に映る逆さ姫路城と紅葉のコラボレーションは、好古園を代表する撮影スポットです。特に風のない日の早朝が狙い目です。

築地塀と門

江戸時代の武家屋敷を再現した築地塀と屋敷門は、時代劇の世界に迷い込んだような写真が撮れます。映画「るろうに剣心」のロケ地としても有名です。

竹林の小道

「竹の庭」の竹林の中を通る小道は、緑の光が幻想的で、縦構図の写真が映えます。

茶室・双樹庵と茶庭

数寄屋建築の茶室と露地(茶庭)の組み合わせは、和の風情たっぷりの写真が撮れます。

周辺観光スポット

姫路城

好古園から徒歩5分の位置にある世界文化遺産・国宝姫路城。白鷺城とも呼ばれる美しい天守閣は必見です。好古園との共通券がお得です。

姫路市立美術館

姫路城の東側に位置する美術館で、赤レンガの美しい建物が特徴です。国内外の美術作品を展示しています。

兵庫県立歴史博物館

姫路城や播磨地方の歴史を学べる博物館。姫路城の歴史を知ってから好古園を訪れると、より深く楽しめます。

家老屋敷跡公園

好古園の北側にある公園で、江戸時代の家老屋敷跡を整備した歴史公園です。

好古園を最大限楽しむためのヒント

訪問のベストシーズン

紅葉シーズン(11月中旬〜12月上旬)が最も人気ですが、春の桜、初夏の新緑、夏の紫陽花など、どの季節も異なる魅力があります。

混雑を避けるコツ

開園直後の9:00〜10:00は比較的空いており、ゆっくり撮影できます。紅葉シーズンの週末は混雑するため、平日訪問がおすすめです。

所要時間の目安

庭園を一通り回るだけなら約1時間、レストランや茶室も楽しむなら2〜3時間が目安です。

服装と持ち物

庭園内は舗装された道が多いですが、一部砂利道もあります。歩きやすい靴での訪問をおすすめします。夏は日傘や帽子、冬は防寒対策を忘れずに。

写真撮影のマナー

三脚の使用は他の来園者の迷惑にならないよう配慮が必要です。混雑時は使用を控えましょう。商業撮影やコスプレ撮影は事前許可が必要です。

まとめ:姫路観光に欠かせない日本庭園の名園

姫路城西御屋敷跡庭園 好古園は、世界遺産・姫路城を借景とした本格的な池泉回遊式日本庭園として、姫路観光に欠かせないスポットです。

江戸時代の武家屋敷跡の遺構を活かした9つの庭園群は、それぞれ異なる趣を持ち、門をくぐるたびに新しい発見があります。四季折々の自然美、本格的な茶室での茶の湯体験、庭園を眺めながらの和食ランチなど、日本文化を五感で楽しめる空間です。

時代劇や大河ドラマのロケ地としても有名で、江戸の情緒を色濃く残す景観は、訪れる人々を江戸時代にタイムスリップさせてくれます。

姫路城とセットで訪れることで、より充実した姫路観光が楽しめます。世界遺産の白亜の城と、江戸の風情を残す日本庭園という、二つの異なる魅力を一度に堪能できる好古園へ、ぜひ足を運んでみてください。

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