奥多摩・奥多摩湖畔 東京都

奥多摩・奥多摩湖畔 東京都
住所 〒198-0223 東京都西多摩郡奥多摩町原 Q2FW+7G
例年の見頃 10月下旬〜11月中旬

奥多摩・奥多摩湖畔 東京都完全ガイド|アクセス・観光スポット・四季の楽しみ方

東京都心から約2時間でアクセスできる奥多摩・奥多摩湖畔エリアは、都民の水源として重要な役割を果たしながら、豊かな自然と四季折々の景観を楽しめる貴重な観光地です。秩父多摩甲斐国立公園内に位置し、小河内ダムによって造られた奥多摩湖を中心に、ハイキング、渓谷散策、温泉など多彩な体験ができます。

この記事では、奥多摩湖畔の魅力を余すことなくお伝えし、初めて訪れる方から何度も足を運ぶリピーターまで、充実した時間を過ごすための情報を網羅的にご紹介します。

奥多摩湖(おくたまこ)とは

東京都の貴重な水源

奥多摩湖は、正式名称を「小河内貯水池」といい、多摩川を小河内ダムによってせき止めて造られた人造湖です。総貯水量は約1億8,540万立方メートルで、都民が利用する水の約2割を供給している東京都の重要な水源です。

東京都奥多摩町に位置し、都心から約65kmの距離にあります。集水域は奥多摩町に加え、山梨県の丹波山村、小菅村、甲州市の4市町村にまたがり、その面積は東京23区の約4割に相当する26,288ヘクタールに及びます。

小河内ダム(おごうちだむ)の歴史

小河内ダムは、昭和13年(1938年)に着工され、戦争による中断を経て、昭和32年(1957年)に完成しました。建設には19年の歳月を要し、当時の集落945世帯が移転を余儀なくされ、工事中には87名の尊い犠牲がありました。

ダムの高さは149メートル、堤頂の長さは353メートルで、完成当時は日本最大級の水道専用ダムでした。現在も我が国最大級の水道専用貯水池として、東京の水道を支え続けています。

秩父多摩甲斐国立公園の一部

奥多摩湖周辺は秩父多摩甲斐国立公園に指定されており、奥多摩山域と奥秩父山塊の山麓の森林が広がっています。奥多摩湖および日原川の源流部は「水源の森百選」にも選定され、東京都水道局は2017年に小河内貯水池(奥多摩湖)と水源林を含む7か所を「東京水道名所」に選定しました。

人造湖でありながら、周囲の自然と見事に調和し、四季折々の美しい景観を作り出しています。

奥多摩湖畔の主要観光スポット

麦山の浮橋(むぎやまのうきはし)

奥多摩湖に架かる2つの浮橋のうちの1つで、全長220メートルの歩行者専用橋です。ドラム缶を利用した浮体構造で、湖面に浮かぶように設置されています。橋の上を歩くと、湖面の揺らぎを感じながら、周囲の山々と湖の絶景を360度楽しむことができます。

春には桜、秋には紅葉に包まれ、写真撮影スポットとしても人気です。ただし、冬季(12月~3月)は凍結や積雪のため通行止めになることがあるので、訪問前に確認が必要です。

留浦の浮橋(とずらのうきはし)

もう1つの浮橋である留浦の浮橋は、全長約250メートルで、麦山の浮橋よりもやや長い構造です。こちらも湖面に浮かぶ独特の構造で、歩くたびに微妙に揺れる感覚が非日常的な体験を提供してくれます。

両浮橋とも、ダムの水位調整により橋の位置が変動するため、訪れるたびに異なる景観が楽しめます。湖畔を一周するハイキングコースの一部としても利用されています。

山のふるさと村(東京都立奥多摩湖畔公園)

正式名称を「東京都立奥多摩湖畔公園 山のふるさと村」といい、利用者からは「山ふる」の愛称で親しまれている自然公園施設です。1990年10月に都民の健全なレクリエーション需要に応え、奥多摩の豊かな自然を紹介することを目的にオープンしました。

施設内容
  • ビジターセンター: 奥多摩の自然や歴史に関する展示、情報提供
  • クラフトセンター: 木工体験などの自然体験プログラム
  • キャンプ場: テントサイト、ケビン(宿泊施設)
  • レストラン: 地元食材を使った料理
  • 遊歩道: 自然散策路、野鳥観察スポット

四季折々の自然を間近に感じながら、キャンプやハイキング、クラフト体験など多様なアクティビティが楽しめます。

問い合わせ: 山のふるさと村ビジターセンター 0428-86-2551

いこいの路・湖畔の小道

奥多摩湖の周囲には、湖畔を巡る遊歩道が整備されています。「いこいの路」と「湖畔の小道」は、湖面を眺めながらゆったりと散策できるコースで、新緑や紅葉の時期には特に美しい景観が広がります。

歩きやすく整備されているため、家族連れや初心者でも気軽にハイキングを楽しめます。所要時間は選ぶルートによって異なりますが、1時間から3時間程度のコースが人気です。

小河内神社(おごうちじんじゃ)

ダム建設により水没した旧小河内村の鎮守社を移転したもので、ダム湖畔に静かに佇んでいます。ダム建設の歴史と、移転を余儀なくされた人々の思いを今に伝える場所として、多くの参拝者が訪れます。

境内からは奥多摩湖とダムを一望でき、静寂の中で歴史に思いを馳せることができます。

鳩ノ巣渓谷(はとのすけいこく)

奥多摩駅から徒歩約40分、または鳩ノ巣駅から徒歩約5分の場所にある美しい渓谷です。多摩川の清流が岩を削り、エメラルドグリーンの淵と白い飛沫を上げる瀬が連続する景観は、東京都とは思えない自然美を誇ります。

遊歩道が整備されており、渓谷沿いを散策しながら、吊り橋や奇岩、滝などを楽しむことができます。新緑と紅葉の時期が特に美しく、写真愛好家にも人気のスポットです。

鶴の湯源泉と温泉施設

奥多摩エリアには「鶴の湯源泉」をはじめとする温泉が点在しています。ハイキングや観光の後に、疲れを癒やす温泉施設が充実しているのも魅力です。

日帰り入浴が可能な施設も多く、奥多摩の自然を満喫した後に、ゆったりと温泉に浸かる贅沢な時間を過ごせます。

普門寺(ふもんじ)

奥多摩町にある歴史ある寺院で、静かな山間に位置しています。境内には樹齢数百年の杉の巨木が立ち並び、厳かな雰囲気に包まれています。

四季を通じて参拝者が訪れ、特に紅葉の時期には境内が赤や黄色に染まり、美しい景観を作り出します。

四季折々の奥多摩湖の魅力

春:桜と新緑の季節

3月下旬から4月上旬にかけて、奥多摩湖畔では桜が咲き誇ります。湖面に映る桜と周囲の山々のコントラストは、まさに絵画のような美しさです。特に麦山の浮橋周辺は桜の名所として知られています。

4月から5月にかけては新緑の季節を迎え、山々が鮮やかな緑に染まります。清々しい空気と若葉の香りに包まれながらのハイキングは格別です。

夏:深緑と涼を求めて

夏の奥多摩湖は深い緑に包まれ、湖面からの涼しい風が心地よい季節です。都心より気温が数度低く、避暑地として多くの人が訪れます。

山のふるさと村でのキャンプや、渓谷での川遊び、森林浴など、自然の中でのアクティビティが充実しています。早朝には湖面に朝霧がかかり、幻想的な景観を楽しめることもあります。

秋:紅葉の絶景

10月中旬から11月下旬にかけて、奥多摩湖周辺は紅葉の最盛期を迎えます。カエデ、ナラ、ブナなどが赤や黄色に色づき、湖面に映る紅葉は息を呑む美しさです。

特に浮橋からの眺望や、湖畔の小道を歩きながら見る紅葉は圧巻で、東京都内でも屈指の紅葉スポットとして知られています。週末には多くの観光客で賑わいます。

冬:静寂の湖畔

冬の奥多摩湖は訪れる人も少なく、静寂に包まれた幻想的な雰囲気を味わえます。周囲の山々に雪が積もると、湖面とのコントラストが美しく、澄んだ空気の中で雪景色を楽しめます。

浮橋は冬季閉鎖されることが多いですが、ダム周辺や山のふるさと村では冬ならではの自然観察が可能です。防寒対策をしっかりして訪れましょう。

アクセス方法

電車・バスでのアクセス

JR青梅線利用

  1. 新宿駅からJR中央線で立川駅または青梅駅へ
  2. JR青梅線に乗り換えて奥多摩駅へ(新宿から約2時間)
  3. 奥多摩駅から西東京バス「奥多摩湖」「丹波」「小菅」行きで約15~25分
  4. 「奥多摩湖バス停」下車

主要バス停

  • 奥多摩湖バス停:小河内ダム、奥多摩湖の最寄り
  • 山のふるさと村バス停:山のふるさと村の最寄り

バスの本数は1時間に1~2本程度なので、事前に時刻表を確認することをおすすめします。特に帰りのバス時刻は必ず確認しておきましょう。

車でのアクセス

中央自動車道利用

  1. 中央自動車道「八王子IC」から国道411号(青梅街道)経由で約1時間30分
  2. 圏央道「青梅IC」から国道411号経由で約1時間

駐車場情報

  • 小河内ダム周辺:無料駐車場あり(約50台)
  • 山のふるさと村:駐車場あり(有料、約150台)
  • 浮橋周辺:小規模駐車スペースあり

週末や紅葉シーズンは駐車場が混雑するため、早めの到着がおすすめです。

奥多摩エリアのグルメ

地元食材を活かした料理

奥多摩エリアでは、清流で育ったヤマメやイワナ、地元産のわさび、山菜など、豊かな自然の恵みを活かしたグルメが楽しめます。

おすすめグルメ

  • ヤマメの塩焼き:清流で育った新鮮なヤマメを炭火で焼いた郷土料理
  • 手打ちそば:地元産のそば粉を使った香り高いそば
  • わさび丼:奥多摩産の新鮮なわさびを贅沢に使った丼
  • 鹿肉料理:ジビエとして注目される奥多摩の鹿肉
  • 山菜料理:季節ごとの山菜を使った天ぷらや煮物

食事スポット

奥多摩駅周辺や奥多摩湖畔には、地元食材を使ったレストランや食堂が点在しています。山のふるさと村内にもレストランがあり、景色を楽しみながら食事ができます。

事前予約が可能な店舗もあるので、特に週末や観光シーズンは予約をおすすめします。

体験プログラムとアクティビティ

ハイキング・トレッキング

奥多摩エリアには、初心者から上級者まで楽しめる多様なハイキングコースがあります。

人気コース

  • 奥多摩湖周遊コース:湖畔を巡る約3~4時間のコース
  • 鳩ノ巣渓谷散策路:渓谷美を楽しむ約1~2時間のコース
  • 御岳山登山:ケーブルカーも利用できる人気の山岳コース
  • 雲取山登山:東京都最高峰(2,017m)を目指す本格登山

キャンプ・宿泊体験

山のふるさと村では、テントサイトやケビン(宿泊施設)での宿泊が可能です。夜には満天の星空を眺めることができ、都会では味わえない自然体験ができます。

クラフト体験

山のふるさと村のクラフトセンターでは、木工体験や自然素材を使ったクラフト体験プログラムが用意されています。子供から大人まで楽しめる内容で、旅の思い出作りに最適です。

野鳥観察・自然観察

秩父多摩甲斐国立公園内の奥多摩エリアは、野鳥の宝庫でもあります。オオルリ、キビタキ、ヤマセミなど、多様な野鳥を観察できます。山のふるさと村では、自然観察プログラムも開催されています。

訪問時の注意点とマナー

服装と持ち物

  • 服装:動きやすい服装、歩きやすい靴(スニーカーや登山靴)
  • 季節対応:夏は帽子・日焼け止め、冬は防寒着・手袋
  • 持ち物:飲料水、軽食、レインウェア、地図、携帯電話

自然保護のマナー

  • ゴミは必ず持ち帰る
  • 動植物の採取は禁止
  • 指定された遊歩道を歩く
  • 野生動物に餌を与えない
  • 騒音を出さず、静かに自然を楽しむ

安全対策

  • 天候の急変に注意(山の天気は変わりやすい)
  • 単独行動は避け、複数人で行動する
  • 登山届の提出(本格的な登山の場合)
  • 携帯電話の電波状況を事前に確認
  • 日没前に下山・帰路につく

周辺の観光スポット

御岳山

奥多摩駅から電車で約20分の御嶽駅からアクセスできる標高929mの山岳信仰の山です。ケーブルカーが運行しており、山頂付近には武蔵御嶽神社があります。ロックガーデンと呼ばれる渓流沿いの散策路も人気です。

日原鍾乳洞

奥多摩駅からバスで約35分の場所にある、関東最大級の鍾乳洞です。全長約800mの洞内は、幻想的な鍾乳石の世界が広がっています。夏でも洞内は涼しく、避暑スポットとしても人気です。

氷川渓谷

奥多摩駅周辺に広がる渓谷で、遊歩道が整備されています。清流と巨岩が織りなす景観が美しく、気軽に渓谷美を楽しめます。

奥多摩湖畔の歴史と文化

ダム建設と集落の移転

小河内ダムの建設は、東京の深刻な水不足を解消するための一大プロジェクトでした。しかし、その実現には大きな犠牲が伴いました。

ダム湖に沈むことになった小河内村では、945世帯、約2,500人の住民が移転を余儀なくされました。先祖代々受け継いできた土地、家屋、田畑、そして思い出の詰まった故郷を離れる決断は、住民にとって計り知れない苦悩でした。

工事の犠牲者

19年に及ぶ難工事の中で、87名の作業員が尊い命を落としました。ダム周辺には慰霊碑が建てられており、ダム建設の歴史と犠牲者への感謝の念を今に伝えています。

水源林の保護

奥多摩湖周辺の水源林は、東京都水道局によって厳重に管理されています。森林は水を蓄え、浄化する重要な役割を果たしており、都民の安全な水を守るために不可欠な存在です。

現在では、水源林の保護と観光の両立が図られ、持続可能な地域づくりが進められています。

季節ごとのイベント

春:奥多摩桜まつり

4月上旬に開催される桜まつりでは、奥多摩湖畔の桜の名所を巡るイベントが行われます。地元の特産品販売や郷土芸能の披露もあります。

夏:奥多摩納涼花火大会

夏には奥多摩町内で花火大会が開催され、山間に響く花火の音と夜空を彩る光が幻想的です。

秋:奥多摩もえぎまつり

紅葉シーズンに合わせて開催されるイベントで、地元の農産物や特産品の販売、ステージイベントなどが行われます。

冬:自然観察会

山のふるさと村では、冬の野鳥観察会や雪の自然観察会など、季節限定のプログラムが開催されます。

写真撮影スポット

小河内ダム堤体

ダムの堤体を正面から撮影できるポイントがあり、巨大な構造物と周囲の自然のコントラストが印象的です。

麦山の浮橋

浮橋の上から、または対岸から浮橋を入れた構図で撮影すると、奥多摩湖の特徴的な景観を捉えられます。

湖畔の紅葉

秋には湖畔のどこからでも美しい紅葉を撮影できますが、特に浮橋周辺や湖畔の小道沿いがおすすめです。

朝霧の奥多摩湖

早朝、条件が揃うと湖面に朝霧が立ち込め、幻想的な景観が現れます。写真愛好家には特に人気の時間帯です。

宿泊施設

山のふるさと村

ケビンやテントサイトでの宿泊が可能。自然の中での宿泊体験ができます。

奥多摩町内の旅館・民宿

奥多摩駅周辺や町内には、温泉付きの旅館や家庭的な民宿が点在しています。地元の食材を使った料理が楽しめます。

周辺エリアの宿泊施設

青梅市や檜原村など、周辺エリアにも宿泊施設が充実しています。

奥多摩湖畔を最大限楽しむためのモデルコース

日帰りコース(初心者向け)

9:00 奥多摩駅到着
9:20 バスで奥多摩湖へ
9:45 小河内ダム見学
10:30 麦山の浮橋散策
12:00 昼食(山のふるさと村または湖畔の食堂)
13:30 湖畔の小道ハイキング
15:00 山のふるさと村でクラフト体験
16:30 バスで奥多摩駅へ
17:00 奥多摩駅周辺で温泉・買い物
18:00 帰路

1泊2日コース(充実プラン)

1日目
午前:奥多摩駅到着→鳩ノ巣渓谷散策
午後:奥多摩湖へ移動→ダム見学→浮橋散策
夕方:山のふるさと村チェックイン
夜:キャンプファイヤー・星空観察

2日目
早朝:朝霧の奥多摩湖撮影
午前:湖畔ハイキング
午後:クラフト体験→温泉→帰路

まとめ

奥多摩・奥多摩湖畔は、東京都心からわずか2時間でアクセスできる自然の宝庫です。小河内ダムによって造られた奥多摩湖は、都民の重要な水源であると同時に、四季折々の美しい景観を楽しめる観光地として多くの人々に愛されています。

春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、季節ごとに異なる表情を見せる奥多摩湖畔。浮橋を渡り、湖畔の小道を歩き、山のふるさと村で自然体験を楽しむ。渓谷の清流に癒やされ、温泉で疲れを癒やす。そして、地元のグルメに舌鼓を打つ。

日帰りでも十分に楽しめますが、宿泊すればさらに深く奥多摩の自然と触れ合うことができます。都会の喧騒を離れ、豊かな自然の中で心身ともにリフレッシュできる奥多摩・奥多摩湖畔エリア。次の休日には、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

自然保護のマナーを守りながら、奥多摩の美しい自然を次世代に残していくことも、訪れる私たちの大切な役割です。

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近隣の紅葉