広瀬湖・広瀬ダム(山梨県)完全ガイド|見どころ・アクセス・ダムカード情報
山梨県山梨市三富地区に位置する広瀬ダムは、奥秩父山系の雄大な自然に囲まれた県営ダムです。ダム湖である広瀬湖とともに、四季折々の美しい景観を楽しめる観光スポットとして、また西沢渓谷への玄関口として多くの人々に親しまれています。本記事では、広瀬ダムの歴史から施設情報、見どころ、アクセス方法まで詳しく解説します。
広瀬ダムの基本情報
ダムの概要と歴史
広瀬ダムは富士川水系笛吹川に建設された中央遮水壁型ロックフィルダムで、山梨県が管理する都道府県営ダムです。笛吹川総合開発事業の中核施設として、1969年(昭和44年)4月に着工し、1975年(昭和50年)3月に竣工しました。山梨県が管理するダムの中では最初に造られた歴史あるダムでもあります。
建設の主な目的は、下流域の洪水被害を防止することと、沿岸地域への安定した水供給による地域開発の促進です。完成から50年近くが経過した現在も、地域の安全と発展を支える重要なインフラとして機能し続けています。
ダムの諸元・施設情報
広瀬ダムの主要な諸元は以下の通りです:
- 形式:中央遮水壁型ロックフィルダム
- 堤高:75.0メートル
- 堤長:255.0メートル
- 総貯水容量:約1,040万立方メートル
- 有効貯水容量:約970万立方メートル
- 流域面積:約47.4平方キロメートル
- 管理者:山梨県(広瀬ダム管理課)
ロックフィルダムは、岩石や土砂を積み上げて造られるダムで、堤体の中央部に粘土などの遮水壁を設けることで水を堰き止める構造です。広瀬ダムでは、この石積みの様子を堤頂部から間近に観察することができ、ダムの大きさと構造を体感できます。
所在地とお問い合わせ先
- 住所:山梨県山梨市三富川浦字広瀬
- 管理事務所:広瀬ダム管理課
- 電話番号:0553-39-2829
- 開放時間:堤頂部は日中自由に見学可能(夜間は通行止め)
管理事務所では、ダムに関する各種情報提供や施設見学の案内を行っています。見学を希望される方は事前に連絡することをおすすめします。
広瀬湖の魅力と見どころ
四季折々の絶景スポット
広瀬湖は、季節ごとに表情を変える美しいダム湖です。ダムに隣接する公園の展望テラスからは、奥秩父山系の雄大な山容と広瀬湖の景色を一望できます。
春の新緑:4月下旬から5月にかけて、周囲の山々が一斉に芽吹き、鮮やかな緑が湖面に映り込みます。残雪を抱いた奥秩父の山々とのコントラストが美しい季節です。
夏の深緑:6月から8月は濃い緑に包まれ、エメラルドグリーンの湖面が印象的です。標高が高いため、真夏でも比較的涼しく過ごせます。
秋の紅葉:10月中旬から11月上旬が紅葉の見頃です。カエデやナラ、ブナなどが色づき、赤や黄色、オレンジの鮮やかな色彩が湖を囲みます。紅葉シーズンは特に多くの観光客が訪れる人気の時期です。
冬の静寂:12月から3月は雪景色に包まれ、静謐な雰囲気に包まれます。凍結した湖面や雪化粧した山々が幻想的な風景を作り出します。
木賊山からの展望
木賊山(とくさやま、標高2,468.8メートル)は広瀬湖の正面にそびえるアルペン的な山容が特徴的な山です。木賊山の中腹からは、広瀬湖とともに遠く富士山まで望むことができ、秩父多摩甲斐国立公園の雄大な景観を楽しめます。
堤頂部から眺める木賊山の姿は圧巻で、縦長のダム湖と相まって、ダイナミックな山岳風景を形成しています。
ロックフィルダムの構造観察
広瀬ダムの堤頂部は歩いて渡ることができ、ロックフィルダムの構造を間近に観察できる貴重な機会となっています。堤体に使用されている岩石の積み上げ方や、洪水吐(こうずいばき)の導流部など、ダム建設の技術を実感できます。
洪水吐の導流部は、大雨時に余剰水を安全に下流へ流すための施設で、滑り台状の構造が特徴的です。ダムの機能美を感じられるポイントの一つです。
中央には発電用の取水塔が設置されており、ダムが持つ多目的機能を視覚的に理解できます。
広瀬ダムで出来ること・出来ないこと
見学・観光で楽しめること
ダム堤頂部の散策:堤頂部は自由に歩くことができ、ダム湖の景色や下流の眺望を楽しめます。全長255メートルの堤体を歩くことで、ダムのスケール感を体感できます。
展望テラスからの眺望:隣接する公園の展望テラスは、広瀬湖と奥秩父山系を眺める絶好のビューポイントです。写真撮影にも最適なスポットです。
ダムカードの収集:広瀬ダムでは入口にダムカードが設置されており、自由に入手できます。山梨県内の他の5ダム(塩川ダム、荒川ダム、琴川ダム、大門ダム、深城ダム)のダムカードを持参すると、特別な「山梨6ダム総合カード」がもらえます。ダムマニアにとっては見逃せないアイテムです。
職員による施設案内:事前に連絡することで、ダム管理職員による施設見学と詳しい説明を受けることができます。ダムの仕組みや役割について深く学べる貴重な機会です。
流木の無料配布:ダム湖に流入した流木を無料で配布していることがあります。配布時期や条件については、広瀬ダム管理課に直接お問い合わせください。キャンプや薪ストーブ用として人気があります。
制限されている活動
広瀬ダムおよび広瀬湖では、安全管理と水質保全のため、以下の活動は禁止または制限されています:
- 湖での遊泳・水上スポーツ:ダム湖での遊泳、ボート、カヌー、釣りなどは原則として禁止されています。
- キャンプ・バーベキュー:ダム敷地内および湖畔での火気使用は禁止です。
- ドローン飛行:ダム施設上空でのドローン飛行は管理者の許可が必要です。
- 夜間の立ち入り:堤頂部は夜間通行止めとなります。
これらの規制は、訪問者の安全確保と施設の適切な管理のために設けられています。ルールを守って楽しく見学しましょう。
広瀬ダムへのアクセス方法
車でのアクセス
広瀬ダムは国道140号線(雁坂みち)沿いに位置しており、車でのアクセスが便利です。
東京方面から:
- 中央自動車道「勝沼IC」から約40分
- 中央自動車道「一宮御坂IC」から約45分
- 国道140号線を秩父・雁坂トンネル方面へ進み、西沢渓谷の手前に到着
甲府方面から:
- 甲府市街から国道140号線を北上、約50分
秩父方面から:
- 雁坂トンネルを抜けて約20分
駐車場:ダムの堰堤部に無料駐車場があり、普通車約20台が駐車可能です。紅葉シーズンや休日は混雑することがあるため、早めの到着をおすすめします。
公共交通機関でのアクセス
電車・バス利用:
- JR中央本線「山梨市駅」下車
- 山梨市営バス「西沢渓谷入口行き」に乗車(約60分)
- 「広瀬ダム」バス停下車、徒歩すぐ
※市営バスの運行は季節や曜日によって異なります。特に冬季は運休となる場合があるため、事前に山梨市役所または山梨市観光協会で運行状況を確認してください。
西沢渓谷との周遊
広瀬ダムは、日本の滝百選にも選ばれた七ツ釜五段の滝で有名な西沢渓谷への玄関口に位置しています。広瀬ダムから西沢渓谷入口までは車で約5分、徒歩では約30分の距離です。
西沢渓谷のハイキングと組み合わせて訪問すると、より充実した山梨の自然体験ができます。特に紅葉シーズンは、ダムと渓谷の両方で素晴らしい紅葉を楽しめるため、多くの観光客が訪れます。
周辺の観光スポットと施設
西沢渓谷
広瀬ダムから約2キロメートル上流にある西沢渓谷は、国内屈指の渓谷美を誇る観光名所です。全長約10キロメートルの遊歩道が整備されており、七ツ釜五段の滝をはじめとする数々の滝や淵、原生林を楽しめます。所要時間は約3〜4時間で、ハイキング初心者から上級者まで楽しめるコースです。
三富地区の温泉
広瀬ダム周辺の三富地区には、いくつかの温泉施設があります。ダム見学やハイキングの後に温泉で疲れを癒すのもおすすめです。
道の駅みとみ
国道140号線沿いにある道の駅で、地元の農産物や特産品を購入できます。広瀬ダムから車で約15分の距離にあり、休憩スポットとして便利です。
広瀬ダムの現在の状況と最新情報
ダムの貯水状況
広瀬ダムの貯水率や放流状況は、山梨県の公式ウェブサイトで随時更新されています。大雨時には洪水調節のため放流が行われることがあり、下流域では水位が急上昇する可能性があるため注意が必要です。
冬季の注意事項
11月下旬から4月上旬にかけては、積雪や路面凍結により国道140号線が通行止めになることがあります。特に雁坂トンネル周辺は積雪が多いため、冬季に訪問する際はスタッドレスタイヤの装着が必須です。また、市営バスも冬季は運休となるため、最新の道路情報と交通情報を確認してから訪問してください。
施設のメンテナンス情報
ダムの定期点検や補修工事により、一時的に立ち入りが制限される場合があります。訪問前に山梨県の公式ホームページまたは広瀬ダム管理課に最新情報を確認することをおすすめします。
ダムカード収集の楽しみ方
広瀬ダムのダムカード
広瀬ダムでは、ダム入口にダムカードが設置されており、訪問者は自由に入手できます。カードには広瀬ダムの写真と基本情報が記載されており、ダム愛好家の間でコレクションアイテムとして人気があります。
山梨6ダム総合カード
山梨県が管理する6つのダム(広瀬ダム、塩川ダム、荒川ダム、琴川ダム、大門ダム、深城ダム)すべてのダムカードを集めると、特別な「山梨6ダム総合カード」がもらえます。
総合カードを入手するには、6つのダムカードを持参して広瀬ダム管理課を訪問する必要があります。山梨県内のダムを巡る旅の記念として、ぜひチャレンジしてみてください。各ダムはそれぞれ異なる特徴と魅力を持っているため、ダム巡りを通じて山梨の豊かな水資源と自然を再発見できます。
広瀬ダム訪問のおすすめシーズン
紅葉シーズン(10月中旬〜11月上旬)
広瀬ダム・広瀬湖を訪れる最もおすすめの時期は紅葉シーズンです。ダム周辺の山々が赤や黄色に染まり、湖面に映る紅葉は息をのむ美しさです。この時期は西沢渓谷も紅葉の見頃を迎えるため、両方を訪れる観光客で賑わいます。
新緑シーズン(5月〜6月)
春から初夏にかけての新緑シーズンも美しい季節です。芽吹いたばかりの鮮やかな緑が湖面に映り、清々しい空気の中でダム見学を楽しめます。まだ観光客も比較的少なく、ゆっくりと景色を堪能できます。
夏季(7月〜8月)
標高が高いため、真夏でも比較的涼しく過ごせます。避暑地として訪れるのもおすすめです。ただし、この時期は西沢渓谷のハイキング客が多く、駐車場が混雑することがあります。
撮影スポットとしての広瀬ダム
おすすめ撮影ポイント
展望テラス:広瀬湖全体と奥秩父の山々を一望できる定番スポットです。午前中は順光となり、美しい写真が撮れます。
堤頂部中央:ダムの両側に広がる景色を撮影できます。特に洪水吐の構造や取水塔を含めた構図がおすすめです。
ダム下流側:堤体の全景を捉えるには、下流側から見上げるアングルが効果的です。ロックフィルダムの迫力ある姿を撮影できます。
湖畔の遊歩道:季節の花や紅葉を前景に入れた湖の写真が撮れます。
撮影時の注意点
- 管理区域への無断立ち入りは禁止されています
- ドローンを使用する場合は事前に許可が必要です
- 三脚を使用する際は、他の見学者の通行の妨げにならないよう配慮してください
- 紅葉シーズンは混雑するため、譲り合いの精神で撮影を楽しみましょう
まとめ:広瀬ダム・広瀬湖の魅力
広瀬ダム・広瀬湖は、山梨県が誇る美しいダムと湖です。奥秩父の雄大な自然に囲まれ、四季折々の景色を楽しめる観光スポットとして、また西沢渓谷への玄関口として、多くの人々に親しまれています。
ロックフィルダムの構造を間近に観察できること、展望テラスからの絶景、ダムカードの収集、そして周辺の豊かな自然環境など、広瀬ダムには様々な魅力があります。特に紅葉シーズンの美しさは格別で、一度は訪れる価値がある場所です。
山梨市街から車で約40分、都心からも日帰りで訪問可能なアクセスの良さも魅力の一つです。西沢渓谷のハイキングと組み合わせれば、山梨の自然を満喫できる充実した一日を過ごせるでしょう。
次の休日には、ぜひ広瀬ダム・広瀬湖を訪れて、ダムの持つ機能美と周囲の自然が織りなす景観を体験してみてください。季節ごとに異なる表情を見せる広瀬湖は、何度訪れても新しい発見がある魅力的なスポットです。